KOJI_MASUDA 0503

ココナッツマイスター農園研修3日目 午後 パンギ村からの歓迎

石鹸作りのあとはいよいよ僕の農園開発をテーマとした2時間の講義です。

農園開発とは生産者を中心に農家のネットワークを作り、原料調達、農産商品の生産、認証取得、持続可能な規模の拡張、長期安定購入を行ってくれる海外パートナーの開拓などをとおし、農家に安定経済をもたらしながらコミュニティを開発していく過程のことです。この研修の参加者の中にもこの授業を楽しみにしていた方も (多分 ^ ^; ) いらっしゃいました。

しかし村の村長さんからお礼の時間をほしいとメッセージが入っていたので、急遽僕の講義をキャンセルし、皆さんと一緒に村の公民館へ向かいました。

NPO法人21グローバルクラブは企業からのサポートを得ながら地元のコミュニティに機会があるごとにささやかな貢献をしています。

今回も参加者の皆様から頂いた旅費から拠出した寄付総額に提携農園やオイル生産施設の視察を許可していただいた(株)生活科学が同額をマッチングいただいた金額の寄付を行ったので、きっといつものように村長さんと村議の方が2、3名いらっしゃって、今後の献金の使い道などを軽くお茶でも飲みながら話すのかな…と思っていました。

公民館に到着すると、何かいつもと様子が違います。会場に小さな子供達がたくさん。そして館の周りには村中の人達が総出で集まっていました。

農園研修参加者が前に並んで座り、目の前には今回の献金先であるフィリピン政府による「栄養補助プログラム」の対象となる栄養不足で体重が基準値に満たない子供達。

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フィリピン農家と関わるときに避けてとおれないのが貧困問題です。農家の中には労働可能な方が出稼ぎや離婚等様々な事情で家庭におらず、経済的理由で食事さえ満足に取れない子供達が大勢います。

子供達を集団で目の前にすると、普段から貧困層の子供達にはプログラムを通して慣れている僕でもウルッときてしまいました。

会場の後方には、栄養補助プログラムを毎日公民館で炊き出しなどのボランティア活動でサポートしてくれる近所のお母さん達。日本にはなくなりつつあるコミュニティがここにはあります。

村長さんの感謝のスピーチ。栄養管理士による栄養補助プログラムの説明。そして僕のNPOの紹介、今回の参加者を代表して加藤さんが献金、という流れで会が組まれていました。

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そのあと、館庭に案内され、並べてある椅子に座ると、50人以上だったでしょうか、目の前で村の人々が歓迎のダンスを滔々と踊ってくれました。

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そしてそれぞれの参加者にマリンドゥケの「敬意」を象徴する王冠を授けて頂きました。そのあとは参加者も村人達に混じって一緒にダンスしました。

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宴が終ると栄養補助プログラムの炊き出しが始まりました。これから半年間、毎日この場所でプログラムの対象である22名の幼稚園生と38名の小学生が食事をとり、定期的な身体検査の報告がNPO法人を通してスポンサー企業へ届けられます。

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このプログラムをスポンサーいただいた(株)生活科学は全国の契約販売者様、商品をご購入いただいているお客様の存在によって成り立たっています。この場をお借りして皆様に感謝申し上げます。

ところで、今回は僕の農園開発に関する講義は時間の都合で流れてしまいましたが、代わりに農園研修参加者の皆さんにその精神を感じていただける体験を村人達が用意をしてくれたのだと解釈しました。

それは一言で言ってしまえば「コミュニティ作り」になるでしょうか。個人を越えて周りと繋がるときに、どんなに洗練されているビジネスモデルのような構造的仕組み作りだけでは解決できない問題がどんどんほどけていく不思議さを、僕達は多くの方々と分かちあいたいと思っています。

NPO法人21グローバルクラブは、応援いただける企業と現地のコミュニティプログラムをダイレクトに繋ぎ、コミュニティ作りのインパクトを最大限に共有できるプロジェクトを可能にします。興味を持たれた企業担当者様はお問い合わせページよりご連絡下さい。

長くなりますが最後に一言。今回の歓迎される体験はとても大きな衝撃でした。人を歓迎するのは気持さえあれば可能なんだ・・僕はここまで人を歓迎できたことがあるだろうか・・・。相手を心から歓迎/ WELCOME できる村人たちの方が質の上でははるかに豊かで幸せな人生を送っているのかもしれません。