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ココナッツマイスター農園研修4日目 午前 植樹

いよいよマリンドゥケ島で最後の日となりました。午後にはフェリーで島を出発しなければいけません。

今回の農園研修最後のプログラムは「植樹」でした。

植樹には2つの重要な意味があります。

一つは「資産の継承」です。ココヤシの木は平均樹齢70年ですので、人間の労働可能期間よりも長いですね。つまり一代ではなく農園を所有するファミリーが3,4代かけて守って行かなければいけません。短期的に儲かるから・・の理由ではとても健全な農園経営はできません。

寿命が来る前に木を倒し、新しい苗植えをすることで、次の世代の為の投資を行います。

短期の生産高アップのために農薬や化学肥料を薦める農業アドバイザーやコンサルタントの助言を信じてしまうと、わずか一回の農薬や化学肥料の使用は有機認証で指定されている2年や3年では償いきれないほどのダメージを生態系に与えます。資産を長期的にとらえ管理していくことの大切さがここにあります。

資産というのは物質的なものだけではありません。農地を守る精神、大切なものを次世代に継承していくという考えです。

今回は平均樹齢70年をはるかに超える100歳以上の木の傍に植樹をしました。古い木は伐り倒し木材となります。こうして新たな世代へと引き継いでいきます。

植樹のもつ二つ目の意味、それは「記憶」です。

人間の感情は移ろいやすく、今日の感動も明日には日常の忙しさにかき消されてしまいます。それでも人間はその記憶への鍵さえあれば、何度も繰り返してその感動を味わうことができます。それは人生で最も価値のあるものではないでしょうか。そして植樹された苗はその「鍵」となります。

「記憶」は本人だけのものではなく、世代をまたいで継承されます。仮に本人がこの世を去っても、その子供達、孫達が苗の写真を通して、または実際にこの農園を訪れ成長した木を見上げ、自らのルーツ、今自らがここに存在することを作ってくれた人達への感謝をすることができます。

 

農園の木々は番号で管理されています。

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一列目
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1: 植樹のインストラクションの為に使われました。

2: 中町博志先生

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3: 長谷部節子さん

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4: 萩原祐子さん

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5: 古木由香さん

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6: 加藤均さん

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7: 松本三恵子さん

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2列目
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8: 田口真理子さん

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9: 萩原ひろ美さん

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10: 石井嘉枝さん

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11: 上石辰男先生

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12: 中町豪太さん

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13: 河守綾香さん

 

 

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植樹が終わったらみんなでこの研修で最後となるココナッツウォーターと果実(胚乳)をいただきました。

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そして日本ではまだ手に入れることが困難な「マカプノ」品種のココナッツの胚乳も振るまわれました。この品種の胚乳は一般のそれとは違い、食感としてはドロッとした油分たっぷりのゼラチン質に似ているでしょうか。

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今回は12名の参加者の皆さんと植樹をできたこと、そしてその意味を共有できたことに感謝でいっぱいです。この農園に戻って今回植えられた木々を見るたびに僕はこの植樹の記憶を思い出し、この感動を忘れることはないでしょう。

皆様本当にありがとうございます。

枡田浩二